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「久しぶりの休日」

2003.05.06:コラム…「CHRニュース」Vol.18より

●うらめしやSARS

 ゴールデン・ウィークの成田空港は、例年ですと海外旅行の家族連れやグループでごった返し、その様子がテレビで放映されるのが恒例ですが、今年は閑散としていて、写し出される人々はマスク姿という異様な光景です。
SARSによる被害は益々拡大し、各方面に影響が表れて業種によっては倒産しかねない状態になって参りました。日本に入ってこないことを願うのみです。

 このSARS流行のとばっちりを私も受けました。珍しく4月の半ば頃、まとまって1週間スケジュールが空き、海外旅行を考えたころ、所属しているコンサルタントの団体からお誘いがあり、友人同行も可能とのことで、団体とは関係のない人たちと4人で北京・上海旅行に申込み、代金も振り込み済みでした。その頃はまだそれほどひどい状況ではなく、「抵抗力をしっかりつけて行けば大丈夫」くらいに考えていました。気がかりな実家の母の様子を見に、4月のはじめに広島まで行き、心配なく旅行に行けると安心した途端、延期の通知です。

●ついてない海外旅行

 実は以前にも同じような体験があります。記憶に新しいと思いますが、例のテロがあった頃、ロンドン・パリのツアーに申し込んでいましたが、これも流れてしまいました。今回と同じメンバーです。昨年12月にも申込みを考えたのですが、高齢の母の手術があり、広島にいる姉や兄嫁のことを考えると、私だけ遊びに行くのも気がひけてやめました。それだけに今回はとても楽しみにしていたのに、本当に残念です。

●切り替えの早い私たち

 海外がだめなら国内でと、誰でも考えると思いますが、電話で通知を受けた直後から、友人達と連絡をとりあい、直ぐに行く先の相談が始まっていました。
以前のテロの時は、信州の温泉に2泊し、行ったことのない安曇野に初めて行きましたが、この計画を話しましたら、広島の姉が行きたいというので急遽同行することになりました。その直後から母の介護が必要になり動きがとれなくなりましたので、今でも会うと「あの時行ってて良かった」と言います。

 今回はあれこれ話し合った結果、経営悪化で話題になったハウステンボスに決まり、湯布院・長崎を含めた3泊旅行に決め、広島の友人にも声をかけて総勢5人で遊んできました。

 子どもに戻ることは本当に大切ですね。4日間仕事のことはほとんど考えることなく、自然を感じ、地方都市の知らない歴史に触れ、アトラクションを楽しみ馬鹿を言っておなかを抱えて笑い転げという4日間は、ストレス発散には最高でした。仕事人間化している現在の私にとっては、非日常的な時間と空間を確保することにエネルギーを使いたいと思います。

●主婦も楽しい

 最近、残された人生について考えることが多くなりました。今の仕事をいつまで続けるか、本当に望んでいる生き方なのだろうか等々。

 全国どこにでも出かけてほとんど家にいない私と、ここ1年半ですが、逆にずっと家にいる夫と、世間的に逆転夫婦の我が家ですが、ゴールデン・ウィークの初め、夫が出かけて私が家にいる日がありました。日ごろできない家事をせっせとこなし、花の手入れをし、夫の帰宅にあわせて夕飯とお風呂の準備を整えて待つという、主婦であればあたりまえのことをしている自分の心がとても充実して満足していることに気がつきました。私って本当はこうした生活を望んでいるのかしら?イエイエ、仕事をもっていて、時々やるからこそ味わえる気持ちかも知れない等々。どちらにしろ新鮮な体験でした。

●映画に感動

 ゴールデン・ウィークの最終日の5日は、子どもの日ですが、本当に縁がなくなりました。TV番組から「フランダースの犬」を見つけ、ボロボロ涙をながしながら、久しぶりに見入ってしまいました。改めて見ると物語の中に教訓的なことがたくさんありますね。今子供達の心が育っていないといわれますが、名作から学ぶことがたくさんありますので、読書を大いにすすめたいと思いました。心の動く体験をたくさんして、いろいろな感情を味わってもらいたいと思います。

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